東京で黒タクが人気上昇中なのは、なんでやねん
最近、黒塗りのタクシーを黒タクと呼び、東京ではたいへん有名です。
なぜかというと東京のタクシーはみんな黄色や緑や柿色だからです。大阪はもともと黒塗りが主流でした。 「なんで大阪のタクシーは黒やねん」。
大阪はもともと全部黒タクなのです。
ところが最近、東京では黒タクが高級感がありハイヤー志向なので人気上昇中というのだからおもしろいです。
それから、京都のMKタクシーがこの頃、東京にも大阪にも入ってきました。左側までドアを開けに来ますけれども、これはそういうプロ意識というのが徹底されているのがウケる理由だと思います。
それに、最近のタクシーは、前のところに文字が出てくるものがあります。それを誰かが「見えるラジオ」と名前をつけた。商標はどこかにあるのではないかと言っていましたが、
テロップが出るのを「見えるラジオ」と言った人がいるらしい。
タクシーの中は、わりと暇ではありませんか。だからサービスとして、これはいいらしいのです。銀座の伊東屋さんはこれをエレベーターの中につけたそうですが、なかなか評判がいい。
人を和ませるものがいいということでしょう。
そういうテロップとか、それからキャンディのサービスも効果的だそうです。ちょっとしたところにキャンディを置いてあるでしょう。レジで並んでいるところにちょっとキャンディを置いたりしているような店もあります。
この「見えるラジオ」の話は、先日たまたま伊東屋の伊藤高之会長と、この「なんでやねん」の話をしていたら、「それとは直接関係ないかもしれないけれども、こういうのが効果あるよ」といって教えていただいたものです。
タクシーと言えば、空港まで1人ならいくら、2人ならいくらと出しておけば乗り合いタクシーも実現するかも知れません。そうなるとタクシー会社は儲からないから、やる可能性は低そうですが。 いずれにしても、タクシーは狭い空間にありながら
ゴージャスなひとときを過ごせる「ハイヤー気分」
が大事だと思います。いろんなことを考えながらゆったりと出来るリラクゼーションのひとときです。運転手さんとの会話も「見えるラジオ」も心を和ませてくれればいずれも大歓迎です。
(書籍「なんでやねん 改訂版」より 西川雅夫著/書肆侃侃房)